白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



先生に体を抱きしめられたまま電話に出た。


「桃子ぉ~!」


『もしもし、直?』


「どうだった?翼先生とのお泊り」



私は、翼先生と桃子のラブラブな夜を想像して、ついつい声のトーンが上がる。



『そんなことはどうでもいいの!!直、元気になったんだね。その声は』


「桃子…… 心配してかけてくれたんだね。ありがとう!!!桃子大好き」



『直~!良かったよ、本当に。美穂にさっき電話したんだ。直に全部話したって聞いてびっくりして…… やっぱりトイレに行っている間にいろいろあったんだよね』



「うん。びっくりしたけど、内緒にされるよりもスッキリした。それに、もう美穂もタカが大事って気付いたみたいだし」



先生は、私の体に両手を巻きつけて、ゴロゴロ転がっていた。




聞いてないようなフリをしているけど、ちゃんと私の電話の内容を聞いている。



だって、先生だもん。





『美穂、相当怒られたみたい。真崎君が1番キレてたらしいよ。きっと、新垣先生の弟子になったからだね』


私は怒った真崎君を想像して、また胸が熱くなった。


真崎君はグループの中心的存在だけど、実はふたりでじっくり話したことってない気がする。

そんな真崎君が、私と先生のことを想って、真剣に怒ってくれた。




< 160 / 358 >

この作品をシェア

pagetop