白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
胸に乗せていた携帯電話が先生の胸の上に落ちた。
「直……」
先生も私の真似をして、頬にキスをくれる。
幸せだな、私。
みんなの想いが、私の心を包み込む。
先生に癒されて元気になった私だけど、みんなからの愛で完全復活!!
「直は愛されてるな」
「先生~!真崎君を、弟子にしてあげてね。真崎君、昨日すごく怒ってくれたんだって。美穂に、私と先生には絶対にバレないようにしろって怒鳴ったらしいよ」
目を閉じる。
みんなの笑顔が目に浮かぶ。
先生は、目を閉じた私の目の前に顔を近付けて、私の鼻の頭にチュってキスをした。
「おう。あいつは、俺と同じ匂いがするからな」
「また会えるんだね、みんなと」
「平気か?本当に、大丈夫?美穂ちゃんと顔合わせるの辛くない?」
目を開けた私。
目の前の先生は、すごく心配そうな顔をしてくれていた。
私は、少し伸びた先生のひげに頬をすり寄せた。
「うん、うん!!大丈夫!!もう大丈夫だよ~」
先生は、私の背中に手を回して、私を持ち上げた。
ゴロンと体が回転して、先生の上に私が乗った形になる。
「じゃあ、夜まで直を食べるのはお預けだな。残念だけど……」
「今日、ラベンダー畑でラベンダーの香りの入浴剤買おうね」
「それって、風呂の中で…… ってこと?直、エッチ~」
「違うよぉ~。でも、それもいいね。うふふふ」
心の中のもやもやしたものがどんどん取り除かれていく。
もう何も不安はない。