白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
私はふたりに手を振った。
駆け足で美穂が私に近付いてくる。
「直~!!!」
「美穂~!!」
立ち上がった私に美穂が抱きついてくる。
無理しているわけじゃない。
心から私はホッとした。
失わずに済んだ。
美穂はこれからも私の大事な人。
「おごってもらっちゃおうかな~!お騒がせなふたりに」
先生がニヤリと笑う。
タカと美穂は顔を見合わせて、ペコリと頭を下げた。
「本当に本当に…… 昨日はすいませんでした」
タカが謝ると、先生はタカの頭を人差し指で突っついた。
「タカぁ~、しっかりしろよ!」
「先生~!本当にありがとうございました。それと…… 美穂のことも今後ともよろしくお願いします」
タカは美穂の手を引っ張って、もう一度頭を下げた。
「ごめんなさい。昨日の私…… 最低でした」
「もういいよ!美穂」
私は美穂の手を取り、隣の椅子を引いた。
「直…… 良かった。会えて」
「私も良かった。みんな優しすぎだよ」