白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



美穂は、キョロキョロと店内を見回して、真崎君を探していた。



「怖いよ~。真崎君が本気でキレるとハンパなく怖い」


「ちょっと見てみたかったな。キレた真崎君」


「昔悪かったって噂はやっぱり本当だったんだよ。でも、真崎君ってすごく友達想いなんだなって思った」




美穂は、まだ来ない真崎君を探しながら穏やかな表情をしていた。





「アイツら遅いな」



先生が店の中の時計を見上げた。



「実は…… 他のみんなはこの店には来ないんです。30分くらいしたら店の前に来てくれるって。気を使ってくれてるみたいです」




タカはそう言って、驚く美穂に黙っててごめんと謝った。




もうっ!!最高だよ。



私と美穂、先生とタカ…… 4人でちゃんと話せるようにって考えてくれたんだね。





「腹減ったぁ~!何か食ってもいいかな?」



先生はさっきあんなにもたくさん朝食を食べたのに、もうお腹が減っている。


幸せだからお腹が減るって先生は言ったね。



本当にそうだよ。



「私も食べる~!!」



心が元気じゃないと、お腹も減らないんだよ。



先生と別れていた時間、私は何を食べても美味しいと感じなかった。



不思議だね、先生。




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