白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
ふたりが今日どんな風に会って、どんな話をしたのかはわからないけど、仲良さそうなふたりの声を聞けて良かった。
本当に良かった。
ゆかりが今まで私を支えてくれた分の半分もまだお返しできていないと思う。
でも、ゆかりの言葉はとても嬉しかった。
「直、お疲れさま。良かったな」
先生は、私の携帯電話をパタンと閉じて、私の手に乗せた。
「俺はな、直の為だったのかも知れない。直の為に、たっくんと中田にはよりを戻してもらいたかった」
きっと先生の照れ隠し。
知ってるよ。
先生がたっくんを大事に思っていること。
先生があのふたりに感謝していること。
本当に良かったね。
「じゃあ、俺……スイッチ入れちゃおうかな」
いたずらっ子のような顔になった先生。
私は車の陰に隠れた。
先生は私を追いかけて、私は先生から逃げる。