白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「ここかな」



翼先生が立ち止まった807号室。



「そ、そ、そうですね」



やばい。


声が震える。


子供だって思ったかな。



こんなことくらいで緊張しちゃう私を、翼先生はどう思うんだろう。




「なんだか…… 緊張するなぁ」



翼先生は、部屋に一歩足を踏み入れて、そう言ってくれた。



翼先生も緊張するの?



「私も…… です」



部屋に入ると、薄い黄色っぽい照明が部屋を包んでいた。




なんだかとてもロマンチック。




こんな部屋にふたりきり。






こういう時、女の子は何をすればいい?



何を言えばいい?





教えて。

誰か教えて。



初めてだからわからない。






< 178 / 358 >

この作品をシェア

pagetop