白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「ここかな」
翼先生が立ち止まった807号室。
「そ、そ、そうですね」
やばい。
声が震える。
子供だって思ったかな。
こんなことくらいで緊張しちゃう私を、翼先生はどう思うんだろう。
「なんだか…… 緊張するなぁ」
翼先生は、部屋に一歩足を踏み入れて、そう言ってくれた。
翼先生も緊張するの?
「私も…… です」
部屋に入ると、薄い黄色っぽい照明が部屋を包んでいた。
なんだかとてもロマンチック。
こんな部屋にふたりきり。
こういう時、女の子は何をすればいい?
何を言えばいい?
教えて。
誰か教えて。
初めてだからわからない。