白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「もうこんな時間なんだな。あ!! そうだ。お風呂先入っていいよ」
翼先生は、思い出したかのようにそう言って、冷蔵庫をまた開けたり閉めたりした。
窓に映る自分の姿と、翼先生の姿が重なって見える。
「お、お先に!!どうぞ!翼先生が先にどうぞ」
「いやいや。いいよ!桃ちゃん先に……」
「いいです。男の人から先に入るのがいいと思います」
「そんなことないよ。桃ちゃんが先に」
譲り合う私達。
しばらくそんな会話を繰り返した後、顔を見合わせて笑った。
「変だな、俺達」
「そうですね」
結局、じゃんけんで順番を決めることになった。
じゃんけんに勝った私が先に入ったんだけど、とにかく緊張しちゃって、髪を2度も洗ってしまった。