白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



―ガチャ




「あれ?まだ起きてる?」



白いバスローブ姿の翼先生は、やばいくらいにかっこよくて、私はその姿を見つめたまま硬直した。



「え…… 早いです。翼先生」



「そう?いつもよりゆっくりだったけど」




直ならこんな時、素直に言えるんだろうな。


“先生、バスローブ似合ってる”って。




私は言えない。


素直になるって難しい。





「じゃあ、おやすみ」



「はい」




私がベッドに横になると、すぐに翼先生も隣のベッドに横になり、電気を消した。




不自然なほどに早いよ。




時計の音が響く。


窓の外からかすかに光が入ってくる。




ドキドキするこの音、絶対聞こえてる。



いきなり沈黙になって、静か過ぎて眠れない。


てか、絶対朝まで眠れない。




翼先生、牧場で言ってくれたことは本当ですか?



あれ以来、何も言ってくれないけど、私と翼先生はもう恋人同士なの?




ちゃんと返事もできていない気がする。



全部夢だったのかな……





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