白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
私は興奮して話していたせいで、物音に気付かなかった。
私の体は、翼先生に抱きしめられていた。
「桃ちゃん…… 桃ちゃんはかわいいし、優しいし、一緒にいてホッとするし、俺にもったいないくらい素敵な女の子だよ」
「翼先生…… 私、死んでもいいぃぃぃ」
「だめだよ。死んだら俺がひとりになっちゃうから」
「翼先生…… 私も好きです。これからもずっと翼先生が好きです」
私の背中が翼先生の胸に当たっている。
背後から抱きしめられるってドキドキする。
でも、なんだか包まれているようで安心する。
「絶対に振り向かないで。そのままそっち向いてて」
「え?」
「振り向くと、キスしちゃいそうだから」
「はい」
「このままここで眠ってもいい?」
「はい」
ドキドキする。
きゅんきゅんする。
大好きな人が私を抱きしめている。
私の耳元に翼先生の顔がある。
信じられない。
ひとつの布団の中にいるなんて。