白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「どした?」



「また夢見てたの」



「どんな?」


先生は首を傾けて、私の顔を覗く。



「白いジャージを着た先生と男の子が走ってくる夢」



「また? 俺達の子供が早く会いたいって言ってるのかも知れないな」





俺達の子供。


いい響き。



私と先生の子供なのかな、あの男の子は。


もしそうなら、会いたいな。



あの子に……


早く会いたいなって思う。




私と先生は別の人間で決してひとつになることはできないけど、ふたりでひとつの命を誕生させることができる。


この世にたったひとりの特別な命を。



ふたりの子供ができたとき、私と先生はまた近くなれるね。



ふたりで作った大事な命が、ふたりを繋ぐ。




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