白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~




そわそわして早足になる。



なんとなくラベンダーの香りがするような気がして、テンションが上がる。





しっかり手を繋いでくれる先生。



ふたりで駆け出す。






「うわ――――!!」


「うおぉ――!!」





目の前に広がる世界は、今までに見たことのない美しいものだった。



自然の色がこんなにも鮮やかだなんで。


本当に絵の具がこぼれ落ちたような色達。






「ラベンダ―――――!!」




ふたりで顔を見合わせた。




「きれいすぎる!!」



「おぉ!感動だよ、これは」






私と先生は、同時に深呼吸をした。




この空気を、


この匂いを体と心にしっかりと染み込ませるように。



この旅の思い出と、先生への愛と共に……





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