白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「あの中を走りたいよ~」
「俺も!あの中にダイブしたい」
テンションが上がり過ぎた私達は、デジカメと携帯でたくさん写真を撮った。
でも、何枚撮ってもこうして自分の目で見る景色には勝てない。
「忘れないでおこうな。おじいちゃんおばあちゃんになるまで」
「うん!!忘れないよ!!」
ラベンダー畑というくらいだから、ラベンダーだけだと思っていた。
赤や黄色、白、いろんな色の花が、きれいな配列で並んでいる。
絶対忘れない。
この景色も、この気持ちも……
夢の中で見たラベンダー畑よりもずっと広かったけど、少し似ていた。
ラベンダー畑の間の小道は、夢で見たままだった。
カップルや、家族連れ、夫婦。
いろんな人達が、みんな笑顔だった。
いい匂いに包まれて、心も体も洗われるようだった。