白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「あの中を走りたいよ~」


「俺も!あの中にダイブしたい」




テンションが上がり過ぎた私達は、デジカメと携帯でたくさん写真を撮った。


でも、何枚撮ってもこうして自分の目で見る景色には勝てない。





「忘れないでおこうな。おじいちゃんおばあちゃんになるまで」



「うん!!忘れないよ!!」





ラベンダー畑というくらいだから、ラベンダーだけだと思っていた。




赤や黄色、白、いろんな色の花が、きれいな配列で並んでいる。


絶対忘れない。


この景色も、この気持ちも……




夢の中で見たラベンダー畑よりもずっと広かったけど、少し似ていた。



ラベンダー畑の間の小道は、夢で見たままだった。





カップルや、家族連れ、夫婦。


いろんな人達が、みんな笑顔だった。



いい匂いに包まれて、心も体も洗われるようだった。





< 196 / 358 >

この作品をシェア

pagetop