白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
私達の前を何人もの人が通っていたけど、一瞬誰もいなくなった。
「チャンス到来~!」
先生は私の手を引っ張って、立ち上がる。
ラベンダーに囲まれて……
「直が好きだ―――!!」
腰をかがめて、ラベンダー達の中に向かって叫ぶ。
ラベンダーの花の間をすり抜けて、きっとどこまでも届く声。
顔が一気に熱くなり、恥ずかしさと驚きで固まったままの私。
「へへ」
かわいく笑った先生が、周りに人がいないことを確認して……
キスしてくれた。
先生が私の背の高さに合わせてくれる。
頬にラベンダーが当たりそう。
5秒くらいのキス。
とても長く感じた。
愛がいっぱいいっぱい伝わってくるキスだった。