白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「コーヒー入れようか?」



私は、テレビの隣のコーヒーメーカーの前に立つ。



「エスプレッソマシーンじゃん。うまそう!」



先生は、説明書を見ながらあくびをした。


家では、いつも先生がコーヒーを入れてくれる。


だから、こういう機械の使い方はわからない。


説明書に書かれていた“カプチーノの作り方”ってページに興味津々の私。



よくカフェで飲むカプチーノ。



「おぉ~!いい匂いしてきたな」



先生は、私の後ろから私をぎゅっと抱きしめた。


またしても身動き取れない私。



「直、お前はコーヒー少しだけだぞ?お腹の中に、俺と直の子供がいるかもしれないんだからぁ」



先生は、私のお腹を優しく撫でた。





先生がパパになったらって何度も想像したけど、今確信した。



先生はすごくいいパパになるね。



ママである私のこともちゃんと大事にしてくれて、子供の面倒もちゃんとみてくれる。



先生はどこまでも理想の旦那様なんだから……





「気が早いよ、先生」


「ふふふ。そうか?」






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