白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
ゆっくりとコーヒーを飲みながら、俺は机の上を整理した。
数日間いなかっただけで、いろんな資料や郵便物が置かれていた。
「あれ?何だろう、これ」
珍しい。
かわいらしい封筒が俺の机の上にあった。
「新垣先生~、俺と同じ間違いを犯さないようにね」
ニヤニヤと笑う喜多先生。
俺は、何言ってるんですか!と言いながら、封を開けた。
「卒業生からのラブレターだろ?」
喜多先生は、ソファから俺に向かって話しかけてくる。
「そこ、うるさい!!」
俺はふざけて、喜多先生にそう言い、手紙の送り主の名前を見た。
見覚えがあるようなないような、本当に微妙な記憶。
封筒には書かれていなかった名前。
便箋の一番下に書かれた名前。
“神田由利”という文字をじっと見つめて、俺は記憶を辿った。