白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「で、で?何があった?」
興味津々のゆかり。美穂との出来事を話そうか話すまいか、迷っているとテーブルの下で足を蹴られた。
「全部、話して!」
私は、大好きな甘いドーナツをパクっとかじって、深呼吸。
「今、振り返ると、すご~く楽しかったの。だから安心してね」
そう前置きしてから、美穂とタカの喧嘩のことや、美穂が先生を好きかもしれないと言ったことを話した。
ゆかりは、ドーナツも食べずに私の話を聞いてくれた。
夏休みということで、店内には女子高生の姿もあった。
大声を出す女子高生を時々チラっと見て、私とゆかりは微笑み合った。
きっと想いは同じ。
“私達みたいだね”
そんな風に思ったはず。