白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「私だったら、絶交してるよ」
ゆかりはおどけた表情でそう言って、残ったドーナツを全部食べた。
「私の会社の同期もね、いつもたっくんのことかっこいいって言うの。それを最初は喜んでたけどだんだんムカついてきちゃったりして。実は密かに好きだったらどうしようとか想像しちゃう。そういうのって嫌だよね」
うなづく私に、ゆかりは言った。
かっこいい彼氏を持った私達の永遠の悩みだよねって。
一人なら乗り越えられないことも、誰かと一緒だと乗り越えられる。
私には、こんなに心強い味方がいる。
ゆかりは私の永遠の味方。
だから、一緒に頑張ろうね。
「もう一個、買ってくるね」
ゆかりは立ち上がり、ドーナツを買いに行ってくれた。
先生の言葉を思い出す。
“幸せだから腹が減る”
そうだね。
幸せだから、美味しい。