白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
楽しかった。
たっくんは今まで好きになった人とは違っていた。
龍のことも真剣に好きだった。
でも、龍とのつき合いはふたりだけのものだった。
たっくんは違う。
家族とか友達とか全部含めた関係。
たっくんは、彼氏だけど、親友だった。
何でもない話を、いつも笑顔で聞いてくれた。
直と先生の秘密の恋を、自分のことのように応援してくれていた。
だからまだ信じられないんだ。
彼氏を失うと同時に、大事な親友も失った気分。
せめて、友達でいたい。
会いたいんだ。
たっくんに別の彼女ができたとしても、私と友達でいて欲しい。
ロマンチックな言葉なんてめったに言えないたっくんだけど、存在そのものが私の支えだったんだ。
そばにいてくれて、何でも話せて、おバカさんなんだけど憎めなくて。
いろんなことはあったけど、たっくんのことは信じていたんだ。
だから、別れることなんて想像していなかった。