白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
先生と直は、いつも口癖のように言う。
“周りに支えられたから、今がある”って。
私もそうだよ。
私とたっくんも、直と先生がいなければ、戻れなかったんじゃないかな。
苦しい時、心から信じられる人に支えてもらえたことで、私もたっくんも自分の心が見えた。
直がいつも“恩返ししたい”って言うけど、もう十分恩返ししてもらってる。
いつもいつも私のことを心配してくれて、私が幸せじゃないと、直は幸せじゃないんだよね。
早く報告しなくちゃ。
笑顔で北海道へ行けるように……
「ゆかり愛してる」
「また先生が乗り移ったの?」
「へへ」
思い出の湖を見つめながら、私とたっくんは再び一緒に歩き出すことになった。
ありがとう、先生。
ありがとう、直。
私は、たっくんの手を握りながら、携帯で直に電話をかけた。
きっと誰よりも心配しているかわいい親友に。
―ゆかり目線END―