白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「先生、サッカーしない?」
たっくんは、家から持参したサッカーボールの模様のビーチボールに空気を吹き込む。
「おう!」
立ち上がる先生。
先生に向かって、たっくんがボールを投げる。
きゅん。
やばい。
かっこいい。
先生は、たっくんが投げたボールを胸で受け止めて、右足のくるぶし辺りで、ポーンと蹴った。
たっくんがヘディングでボールを返すと、先生は直接足で高く蹴り返す。
「かっこいいぃぃぃぃ~!!」
私は、黄色い声援を上げてしまった。
だって、本当にかっこいいんだもん。
高校の頃、先生にサッカーを教えてもらったことはなかった。
男子と女子に分かれて、男子にサッカーを教えていることはあったけど、先生がボールを操る姿を見るのは、新鮮だった。