白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
俺は、直が残したうどんの汁を全部飲み干す。
「ねぇ、先生?来週のの日曜日、遅くなる?」
「ん?」
来週の日曜日は、陸上部の大会があって、朝から出かけることになっていた。
「夕方には帰れると思うよ。どした?」
直は、体育座りをして、ひざに唇をくっつけていた。
足先についた砂さえもかわいい。
ピンクと赤で彩られたかわいい足の爪。
「どした?」
俺は直の顔を覗き込み、直のあごを指で持ち上げた。
「あのね……」
「何だよぉ~?」
もじもじする直がかわいい。
きっと……
何か俺にお願いがあるんだと思う。
何でも言っていいのにさ。
直は、それを“わがまま”だって思ってしまうんだ。
全然わがままなんかじゃない。
直は俺の奥さんなんだから。
「花火…… 行きたいなぁって」