白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
日に焼けただけじゃない。
直の頬が赤く染まる。
抱きしめたいくらい、愛しいよ。
直、お前はいつになってもかわいい。
初心を忘れないお前が好きだよ。
「ばかだなぁ。直……」
ちょっとひんやりした直の肩を抱き寄せた。
俺の肩と直の肩が当たる。
直の肩よりも俺の肩の方が冷えていて、直の肩が温かく感じた。
「そんなに遠慮しながら言うなぁ~!!行こう!!花火!!」
そういえば、花火も初めてだっけ。
大勢の人が集まる場所には行けなかったもんな。
去年も夏祭りの時期は、俺が部活で忙しかったりして、行けなかった。
直の浴衣姿が見たい。
浴衣姿の直と堂々と手を繋いで、人込みの中を歩きたい。
ずっと叶えてやれなかった夢を……
今年こそ。