白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~


あの手紙が届いた翌日、何度か話したことのある1年生の生徒が体育教官室に来た。



その生徒の名前が“神田”だった。


神田由利の妹…… と名乗ったその生徒は、話があるの、と言い教官室のソファに腰掛けた。


どうやら血の繋がりのない義理の姉妹らしい。


かなりの歳の差なのに、ずいぶん仲が良いようだ。



1年生の神田が言った。



“由利姉ちゃんのこと好きだったんでしょ”



厄介だ。

またまた厄介なことになってきた。




神田由利の以前の名前……


“飯田由利”、その名前を聞いて、俺はやっと思い出した。


成績優秀で部活で部長もしていたしっかり者の飯田を……




俺が、好きだった?




ありえない。






俺は、生徒に対して恋愛感情を抱いたのは、直が最初で最後だから。






< 264 / 358 >

この作品をシェア

pagetop