白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
あの手紙が届いた翌日、何度か話したことのある1年生の生徒が体育教官室に来た。
その生徒の名前が“神田”だった。
神田由利の妹…… と名乗ったその生徒は、話があるの、と言い教官室のソファに腰掛けた。
どうやら血の繋がりのない義理の姉妹らしい。
かなりの歳の差なのに、ずいぶん仲が良いようだ。
1年生の神田が言った。
“由利姉ちゃんのこと好きだったんでしょ”
厄介だ。
またまた厄介なことになってきた。
神田由利の以前の名前……
“飯田由利”、その名前を聞いて、俺はやっと思い出した。
成績優秀で部活で部長もしていたしっかり者の飯田を……
俺が、好きだった?
ありえない。
俺は、生徒に対して恋愛感情を抱いたのは、直が最初で最後だから。