白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



俺に会いに来ると手紙に書いていたが、一体いつ来るつもりだろう。



かわいい教え子が会いに来てくれることは嬉しいはずなのに、どうしてこんなに気が重いんだろう。




「先生、怖い顔してどうしたの?」



目を閉じていた俺の目の前には、アイスを持った直がいた。



「アイス一口食べたい」



俺がそう言うと、直は俺の口にアイスを近づけた。





「先に直が食べて」



「いいよ!先生が食べて」



「直の後に食いたいの」



「え~!恥ずかしい」




こんな会話、誰にも聞かせられない。



と思った時には遅かった。






隣にいたたっくんと中田は、呆れ気味に俺を見ていた。






「甘いよ!!先生!!」



中田は顔を赤らめながら俺にそう言った。



「学校では怖いのに!別人だね」



学校での俺を知っている人に、こんな甘えん坊な俺を見られることは、ちょっと照れる。




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