白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「こんなへタレなヤツですけど、よろしくお願いします」
先生は花帆さんにそう言って、軽く頭を下げた。
誠人さんは顔を上げて、チラっと花帆さんを見た。
その誠人さんの表情が、何とも言えず、切なかった。
ものすごく、好きなんだろうなって……
伝わってくる表情だった。
「こちらこそ…… 本当に誠人さんには助けてもらってばかりで」
かわいい声。
娘さんは、花帆さんにとても似ている。
穏やかな表情も、綺麗な髪も、澄んだ瞳も。
「誠人にはもったいないいい彼女だなぁ?」
「そうだね~!!」
先生と私は、誠人さんをちょっとからかうような口調でそう言った。
誠人さんは、また顔を赤くして、花帆さんを見ていた。