白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「私の方が、誠人のことを100倍好きだと思う」
つぶやくようにそう言った花帆さん。
私は、目頭が熱くなった。
安心した。
誠人さんは愛されている。
「誠人さんは、それ以上好きだと思いますよ」
「私の方が…… 夢中です。でも、それを彼には見せないように努力してるんです。私には娘がいるから、誠人は私と娘を守ろうとしてくれる。でも、その愛に甘えてしまわないよう、自分に言い聞かせていて……」
女同士の内緒話。
こっそり教えてくれた。
中学の頃、どれだけ誠人さんがかっこよかったか、どれだけ好きだったか。
会えない数年間、ずっと心の中に誠人さんがいたこと。
再会して、好きだと言われた時の気持ちは、一生忘れられないくらい嬉しかったんだってこと。
恋する女性は美しい。
キラキラと瞳を輝かせながら、誠人さんのことを語ってくれた。