白いジャージ５ ～先生とラベンダー畑～

レポート用紙を前にして、ため息をつく。



何から書けばいいんだろう。






俺は、当たり障りのない言葉を並べる。


久しぶり、とか、

元気だったか、とか……




手紙をくれてありがとうとか、名字が変わっていたので誰かわからなかったけど、義理の妹が俺に教えてくれたからわかったと。




またため息。


手紙は苦手だ。






トントントンと野菜を刻む音を聞きながら、俺はまたペンを持つ。





今年の5月に結婚したこと。


妻のことをとても大事に思っていること。


俺に会いに来てくれると言ってくれたことは嬉しかった、でも、今は会えないと。



妹が言うように、今も俺に対して特別な感情があるとか、飲みに行きたいとか思っているなら、会わない方がいいと。




教師と元生徒という関係でなら、いくらでも歓迎してるよ！と最後に明るく書いてみた。