白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「俺が忘れてると思ったか?」
「ううん。先生のことだもんね。私が忘れてたぁ」
先生は、唇のクリームシチューをペロっとなめた。
ちょっと残念。
クリームがついたまま食事を終えたら、後でキスしてあげようって思ったのに。
「ごちそうさま。直、ちょっとこっち来て」
お皿を重ねている私に先生が言う。
立ち上がり、先生の近くへ行く。
「目、閉じて」
ドキドキ。
なんだか思い出す。
卒業式の日。音楽室で先生に言われたよね。“目、閉じて”って。
「何よぉ~?」
え?
キス、された。
「直の唇のクリームシチュー、いただき~!」
「え~!!!ついてたの?」
私の唇にもクリームシチューがついていたようだ。
同じことを考えていたことが嬉しくて、私は先生の首に腕を絡ませて、いっぱいいっぱいキスをした。