白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「直、21歳の誕生日おめでとう」



「ありがとう」



「晩ご飯は、ホテルでディナーだから、腹減らしておけよ」



びっくりする私に先生は、満足そうな顔で言う。




「結婚式をしたホテルのディナー予約しといたから。天野っちにも北海道のおみやげ持っていきたいって言ってただろ?今日、会いに行こう」



結婚式のプランナーさんだった天野っち。


天野っちのおかげで、本当にいろんな願いが叶えられた。





ゆかりや依子、お父さんお母さん、お姉ちゃんから“おめでとうメール”が届く。



直は幸せ者。




会社でも、沙織や真由美さんがお祝いしてくれた。


ランチの時間に、プリンを買ってきてくれた。





ちょっと寂しかったのは、専門学校の友達からメールが来なかったこと。



高校の頃のように、お互いの誕生日を祝い合ったりする関係じゃなかったけど……



やっぱり今日の集まりに行くべきだったのかな。





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