白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



会社の前まで迎えに来てくれた先生。



先生を一目見ようと、いろんな先輩が窓から顔を出していた。


先生は会社の窓に向かって軽く頭を下げる。




「お疲れ、直」


「先生もお疲れさま。迎えに来てくれてありがとう」





車の中は、ラベンダーの香りに包まれていた。


車用に買ったラベンダーの芳香剤と、天野っちに渡すおみやげの石鹸のせいだ。




「先生の車って昔からいい匂いしてたよね」


「そうかぁ?タバコ臭かったんじゃない?」



思い出す。


先生の車は石鹸の匂いがした。



「学校のトイレの石鹸と同じ匂いがしたんだよ~」


「それっていい匂いって言えるのかぁ?臭いんじゃねぇの?」


「ううん。いい匂い。だから、トイレに行くといつも思い出しちゃってたんだよ」




先生は、やっぱり直は変態~!!って言いながら私の肩を押す。







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