白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



3日後に迫った花火大会。



直と俺の初めての花火大会は、俺にとってもとても楽しみだった。



花火なんて、ガキの頃以来近くで見たことねぇなぁ。




中学、高校時代、男女のグループで花火を見に行った記憶はあるけど、好きな女の子と見たことはないような。



あれ?

あったっけな。



まぁ、いっか。




今日、嬉しい出来事があった。


例の神田由利から、手紙が届いた。



妹に渡してもらえばいいのに郵便で届いたもんだから、また喜多先生にからかわれた。






“2通目だよ~”なんてニヤニヤしながら、俺に封筒を渡した喜多先生だったが、心の中ではちゃんと心配してくれている。



だから、俺は喜多先生を信頼しているし、尊敬しているんだ。






俺が書いた手紙を受け取ったことと、そこに書かれていたことをちゃんと理解しましたという内容だった。



やっぱり、俺に対して“教師”として以外の気持ちがあったから、今は会いに行かないことにしますと書かれていた。





いつか…… 本当に、いつか会えるといいな。




何年後、何十年後だとしても、俺はちゃんと覚えているだろう。








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