白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「どうする?」
また長い沈黙。
「3年生からそれとなく言ってもらうって手もあるけど。俺が言うよりもいい?」
今度は即答。
「新垣先生から言ってもらう方がいい」
その理由を聞いて、俺は胸が熱くなる。
3年生にとって今は大事な時期。
最後の夏。
そんな大事な時に、こんなことで余計な心配をかけたくない……と。
川端の想いを聞き、俺は2年生と1年生にだけ話をしようと思った。
川端は、4、5日部活を休むようにお医者さんから言われていたから、今のタイミングなら俺が注意しても大丈夫かもしれないと言った。
川端のご両親に挨拶をし、俺はまた競技場へ車を走らせた。
かなりスピードが遅かったと思う。
悩んでいた。
どうやって切り出そう。
どうやって話せば伝わるだろう。
時計を見た。
4時過ぎ。
もしかしたら、直との約束に遅れてしまうかもしれない。