白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



岡崎先生に事情を説明し、3年生だけ大会の後に別メニューで練習をしてもらうことにした。




「え~っと、今から少し話したいことがある」



俺は2年生の生徒の名前を川端から聞かなかった。


だから、どの生徒なのかはわからない。




「川端は、明日からしばらく練習を休むことになる。みんなもこの暑さだから、体調管理しっかりな」




どの生徒もいい顔してんだよな。



しっかり俺の目を見て、俺の話を聞く。



だから…… 信じたい。





「3年生が今大事な時期だってことはみんなわかってると思うけど、今の3年生を見てみんなは何か感じる?」




2年のある生徒は、3年生の努力が素晴らしいと答えた。




「練習量もすごいけど、後輩への気配りもちゃんとできていると俺は思う。自分達のことで必死なはずなのに、いつも後輩のことを考えて、部をまとめようとしている」




ほとんどの生徒が首をたてに振って頷いていた。




夕日がまぶしい。


朝には見えなかった雲が、夕焼け空に浮かんでいた。




< 328 / 358 >

この作品をシェア

pagetop