白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
目をそらす生徒。
目をじっと見る生徒。
考え込む生徒。
「川端は何を頼んでもニコニコしてるから、嫌がっているかどうかわかんねぇよ」
2年の生徒が、俺に聞こえるか聞こえないかくらいの声でそう言った。
他の2年生が続ける。
「確かに川端はいつも嫌な顔せず頼みごとを聞いてくれるけど…… でも、アイツの立場になってみると、キツかったかもしれないな」
部員達は、だんだんある方向を見ながら話すようになった。
2年生の3人。
盛り上げ上手で楽しいヤツらだけど、ちょっとサボり癖もあって、ずっと補欠だった。
「お前ら…… どう思ってんだよ」
2年生の中で一番しっかり者で、次期部長に決まっている生徒が、その3人に向かって言った。
気まずそうに、顔を下に向けた3人。
「あれは、やりすぎだったんじゃねぇの?」
「そうだな」
「パシリだと思われても仕方ない」
「何とか、言えよ」
一斉に、3人に向かって厳しい声が飛ぶ。