白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
花火と先生―END―
へたくそだけど、自分で浴衣に着替えた。
先生のかっこいい浴衣をベッドの上に置いて……
冷蔵庫からオレンジジュースを出す。
焦る気持ちを落ち着けるために、ゆっくりとオレンジジュースを飲んだ。
先生、大変そうだった。
声が、不安そうだった。
陸上部の生徒の中で、いじめがあるかもしれないと電話があった。
そのことで少し帰る時間が遅れると言っていたけど、内心私は今日花火が見られなくてもいいって思ってるんだよ。
先生は、先生だもん。
先生は、問題が発覚した時、いつも「すぐに」行動してくれる。
明日、とかまた今度…… なんてことは絶対にない。
高校時代、いじめがあった時もそうだった。
あの時、他のクラスの子が噂しているのを聞いたけど、先生は一刻も早く解決したいんだと言ってたんだって。
明日になればその分いじめられている子は、辛い時間がのびる。
だから、今すぐに解決したいんだと。
解決せずに花火を見ても、楽しめない。
心の中に何かを抱えている時の先生は、すぐにわかるんだから。
だって、私は先生の奥さんだもん。
世界中で誰よりも先生のこと大好きだから、わかるんだよ。