白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



目覚めると、遠くから花火の音が聞こえるような気がした。


ベッドサイドのテーブルに置かれた写真に視線を移す。



先生がくれた写真たて。


ラベンダー畑の中のふたり。





ラベンダーの囁きや、風の音が聞こえてきそうな写真。



思わずニヤけちゃう。





「ふふふ」






そっと起き上がり、テーブルの上の携帯を見る。



先生からのメールが1通届いていた。


【渋滞抜けたから!!もう少し待ってて】




メールが届いた時間は、1分前だった。


もしかしたら、メールの着信音で目覚めたのかもしれない。




私はまた冷蔵庫からオレンジジュースを出し、グラスに注ぐ。



暑いからのどが渇く。



さっきの胃の痛みがまだ残っていたので、帯を少し緩めてみた。








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