白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
―ピンポーン
「ごめん!!直!!!」
すごい勢いで玄関を開けた先生。
必死な顔を見て、涙が出そうになった。
本当に優しい。
「大丈夫だよぉ、先生」
私は、浴衣の袖で、先生のおでこの汗を拭いた。
「こんなに遅くなってしまって……ごめんなぁ。直・・・・・・ あれ?」
先生はまじまじと私の浴衣姿を見つめた。
「やっべぇな。直!!めちゃめちゃかわいい。浴衣、似合いすぎ!誰にも見せたくねーって思ったよ、今」
先生は、そんな歯の浮くようなセリフを言ってくれる。
急いで浴衣に着替える先生。
こっそり見ちゃった。
先生……
浴衣を羽織るときの仕草が、たまらなくセクシー。
「直、これでいいの?」
先生は、ソファの影に隠れている私を呼ぶ。
「ん?手伝おうか?」
「うん、お願い」
先生のお腹に手を回すと、先生が抱きしめてくる。
「こらぁ!先生。じっとしてて」
「だって……直がかわいいんだもん」
ちょっかいを出す先生を必死で無視して、先生の浴衣を着せ終わる。
「あ、写真撮らせて」
いつものように携帯で写メを撮る私に、先生は優しく笑いながら言う。
「はいはい。いつものことだろ?」