白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



自転車で、花火会場まで向かう。


私も先生も気付いていた。


間に合わないんじゃないかって。




最後の大きな花火だけでも遠くから見れればいいって思っていた。



きっとね、先生も同じ。





来年の楽しみが増えた。


だからいいの。






「直~!音聞こえる?」


「うん!!近付いてきたね」




浴衣で自転車って想像以上に大変だった。


なかなかスピードが出ない。




坂道を少し登ったところで、先生が自転車を停めた。





「もうすぐラストだな。ここから見ようか?」




花火が一旦、止まったので、次がラストなんだとわかった。



遠いけど、絶対に見える場所。





先生と見る花火。


これだけで幸せ。




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