白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「先生、今日陸上部の問題、解決したんだよね?」



クルっと振り向いた先生の顔がかわいい。


よく聞いてくれたなって感じで、満足そうな表情をしていた。



浴衣を胸元を正して、胸を張る。



「そうなんだよ~!解決したんだよ。しかも、また俺の力じゃなく生徒達の力で解決できたんだ。あ~良かった」




先生は、公園まで散歩しようと言った。



その間、先生は表情をコロコロ変えながら、今日の出来事を話してくれた。


先生がどれほどショックだったか、話を切り出すのにドキドキしたか……伝わってきた。


何年教師をやっていても慣れるわけじゃなく、問題が起これば真剣に悩んで迷うんだなと思った。






公園には思い出がある。




そう遠くない、ほろ苦い思い出。



金森先生の留守電を聞いて、家を飛び出しちゃった日に辿りついた公園。








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