白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



公園が見えてくる。



懐かしいコロッケの匂いもしてきた。






「うぅ……」


何、これ。


突然、吐き気に襲われた。


胃が重い。




「どした?」



心配そうに立ち止まる先生。


優しく背中を撫でてくれる。


「ちょっと気持ち悪くて。夕方から胃が痛かったから多分そのせいだね」



先生は私の背中を撫でながら、ゆっくりと歩いてくれた。




「直?」


「ん?」


「あのさ……」


「どしたの?」


「いや……何でもない」




言いかけた言葉を飲み込んだ先生は、私が顔を見ようとしても目をそらす。




「変なの。先生ったら」



先生は、もじもじしながら私の顔をチラっと見て、また目をそらす。



「あ、あのさ……」


「先生変だよ、どしたの?」





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