白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



まだわからない。


気のせいかもしれないし、ただの夏バテかもしれない。


でも、できたかもしれない。




この喜びをどう表現すればいいんだろう。




とにかく……



嬉しくて嬉しくて、涙が出そうになる。




飛び跳ねちゃいけないけど、ぴょんぴょん飛びながら街中の人に言いたい気分。






「せんせ?」


「ん?」


「嬉しい?」


「まじ……俺、泣きそう」





ぎゅーって手を握り合って、公園まで歩く。





「この公園、初めてだなぁ」



こんな冗談を言う先生のお尻を叩く。



「ごめんごめん。この場所がいい思い出の場所に変わるようにと思ってな」




あの時、消えちゃいそうな私はこの公園に辿りついた。


そして、ここで泣いた。





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