白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
夏なのに、汗をかかない気温。
風がほんのり冷たくて、優しい匂いがする。
「っていうか!!俺、孤独なんだけど!!」
要君は想像以上に寂しいらしい。
「やぎがいるからいいじゃん」
「そうだよ。さっきも牛に見つめられてたし!」
みんなが要君をからかう。
「どうせ、俺はひとりだから。みんな嬉しそうに手繋いだりしてさ」
「俺がいるだろ~!!」
真崎君が、要君の肩に手を回す。
すかさず先生も便乗して。
「そうだよ。俺もいるだろ~。寂しくないだろ?」
要君の腰に手を回し、要君は動揺して逃げ出した。