白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「聞かないで~」
真っ赤な顔をして、私達と目を合わせずに顔をそむける桃子。
かなり前を歩いていた男性陣もその声に気付き、振り向いた。
翼先生は、温かい表情で、桃子と目を合わせた。
「あれは何かあったね」
「そうだね。付き合いたてのああいう感じって懐かしいよね」
「桃子見てると初心に戻るね」
桃子は、質問攻めから逃げるように、少し前を歩いていた。
私もあんな風だった。
美穂も、付き合いたての頃は手をつないだだけでも嬉しくて泣きそうだったんだと話してくれた。
「エッチしたのかどうか気になる」
あゆみがそんなことを言うもんだから、ちょっと想像しちゃって私まで顔が赤くなりそう。
「電車で一駅だからな!ちゃんとついてこいよ」
立ち止まった先生が、片手をあげて、私達に向かって大声を出す。
新垣先生だぁ。
あぁ、懐かしい。
体育の先生っぽい。
切符売場の前で待っていてくれた先生達。
「お待たせ!」
「じゃあ、行こうか」
電車に乗る先生ってのもなかなか新鮮。
先生は何をしていてもかっこいい。