白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
みんなで駅の階段をのぼる。
女子4人は鼻歌を歌いながら腕を組む。
その時、階段にひとりのおじいさんがいるのが見えた。
杖のようなものを持っていたので、目の不自由な人なのかなと思った。
ゆっくりと階段をのぼっている後姿を見て、みんなそう思ったようだった。
先生は、振り向いて人差し指を口の前で立てて、騒がしい私達女子にシーと合図した。
その時だった。
階段の上から高校生らしき男の子が3人、大声を出して笑いながら下りてきた。
嫌な予感がした。
「お~!!」
男の子の一人がそのおじいさんを指差した。
「見てみろよ!」
「すげーな」
3人は、おじいさんの進路をふさぐように、前に立った。
そのうち1人の子が、持っていた傘で、おじいさんの杖を突っついた。
やばい。
先生、絶対キレる。
おじいさんの杖が階段の下まで転がり落ちた。