白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「うるせーよ。行こうぜ」
その男の子達は、そこで謝っておけば良かったと後悔するだろう。
だって、相手は新垣先生。
「ふざけんなよ。このまま逃げれると思ってんのか」
本気で怒った先生は、怖い。
翼先生が、こちらを気にしているおじいさんに、大丈夫ですからと声をかけ、おじいさんは歩きだした。
「軽い気持ちでやったことかも知れないが、それが人間として最低なことだってわかるか?目の不自由な人にとってあの杖がどれだけ大事か、考えてみろ」
黙ったままの3人は、顔を見合わせて、面倒臭そうな顔をした。
静かな駅の構内。
重い空気。