白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
最近は、ずっとふたりだった。
だからこんな気持ちは感じなかった。
みんなの中にいる先生はやっぱり素敵で、どの男性よりも頼りになるし、かっこいいし、ドキドキする。
旦那さんなのに、片思いしている憧れの先生って感じがする。
私は奥さんだから、先生に「こっちへおいで」って呼ばれて当然なのに、私を呼んでくれて嬉しいなって思ってしまう。
「どしたぁ?直。酔ったのか?」
「大丈夫。チューハイ1杯しか飲んでないから」
先生は、私の肩に手を回して、トロンとした目で私の顔をのぞき込む。
「もう直は、オレンジジュースにしとけよ」
先生は、私の頬を両手で挟んで、おでこに顔をくっつけた。
「ラブラブ過ぎですよ!!過去のことだとは言え、俺も直っぺのこと好きだったんですから」
お酒に強いはずの要君が真っ赤な顔をして、先生に絡む。
「なんだぁ?わざと見せつけてんだよな、直。要君は危険人物だから」
「ひどいなぁ、先生。もう安心してくださいよ。先生が直っぺを傷つけない限り、俺はもう手を出しませんから」
要君ったら冗談とは思えない真剣な顔でそんなことを言った。
「俺が直を傷つけるわけねぇだろ?要君、まだ直のことあきらめてないの?表、出るか?」
先生は、わざとらしく腕まくりして、要君をにらむ。
「すいません。絶対先生には負けるんで、やめときます」
隣のテーブルにいた女子陣も全員集まって、それぞれの彼氏の隣に座っていた。