白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「おい~!!!あゆみって、昔……俺のこと好きだったんだよな?」
要君は、酔っ払ったのか、いつもより甘えた声でそう言った。
もう忘れてしまいそうだったけど、あゆみは真剣に要君に恋していた。
私と要君とあゆみの3人を巡って、ちょっとゴタゴタしていた時期もあった。
過ぎてしまえばなんだかそれもいい思い出のように感じる。
「え?そんなことあったっけ?」
あゆみがいじわるを言って、要君はますます落ち込んでいた。
「嘘だって!でも、慎司がいなかったらまだテルのこと好きだったかも知れないよね、私」
「俺の前でそんなこと言うか?」
真崎君は、肩に乗っているあゆみの頭をゴツンと叩いた。
みんないろんなことがあった。
あゆみが要君を好きにならなかったら、私と要君の件で気まずくなることもなかった。
そうなると、真崎君がこのグループに入ってくることもなかったんだよね。