白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



「タカのこと、頼りなく見えちゃって……」



タカは飲み過ぎていたらしく、ちょっと気分が悪いと言ったらしい。


いつもの美穂ならそんなタカを優しく介抱してあげたんだと思う。




「先生と……比べちゃったんだ」




美穂は、申し訳なさそうな顔でうつむいた。




先生と?


私の先生と?




「先生って?」


あゆみが不思議そうな顔で、尋ねた。



「……新垣先生」


美穂は、小さな声でそう言って、チラっと私を見た。




「タカは頼りないよねって言ってしまったの。さっきの駅の出来事でも、タカは見ているだけだったし、新垣先生とは違うよねって」



そ、そんな……

先生は教師だし、ああいう場面に慣れているというか、学校でも面倒な問題は先生の担当だし……



「てか、テルだって、慎司だって見てるだけだったじゃん」



あゆみがそう言うと、桃子も続く。



「翼先生なんて、一番年上なのにびびってたし!!」



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