白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「タカはみんなの前で堂々と、美穂が好き、なんて言ってくれないの。でも、先生はすごく堂々と、俺の直だからとか言ってくれる。真崎君もみんなの前にイチャイチャしたりするし……」
そう言われてみれば、タカはシャイなイメージ。
でも、逆にタカがそんなことをしたら、タカらしくないなって思ってしまう。
「倦怠期なのかも知れないね」
桃子は、天井を見つめながらそう言った。
「翼先生がさっきホテルで話してくれたんだ。前の彼女とは結構長く付き合っていて、結婚も考えたけど、突然倦怠期がやってきたって。倦怠期を乗り越えたら、結婚していたかも知れないけど、翼先生は忙しくて、向き合うことから逃げたんだって」
翼先生にもそんな過去があったんだ。
私と先生は、波乱があったり秘密の恋だったりしたおかげで、倦怠期なんて全くなかった。
教師と生徒として出会っていなくても、先生とは倦怠期なんて訪れないのかも知れない。
だって、先生はいつも私をドキドキさせるし、新しい発見をくれるんだ。
全部、先生のおかげなんだ。