白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~
「美穂、泣いてたぞ」
真崎君は、タカの頭をぐりぐりしながらそう言った。
それを聞いたタカは、がっくりと肩を落とした。
「俺が悪いんだ」
落ち込むタカに真崎君が手荒な攻撃。
タカの腕を引っ張って立ち上がらせて、胸ぐらを掴んだ。
「どっちが悪いとか言ってる場合じゃねぇんだよ。さっさと戻って、慰めろ!」
やるじゃん、真崎慎司。
俺も実はそうしたかった。
店に戻るタカの背中を見て、そこにいた全員が自分の心と向き合っていたことだろう。
他人事じゃない。
誰にでも起こり得ること。